シャルトーニュ・タイエChartogne Tailletかつてのグラン・クリュを現代に復活させるシャンパーニュの若き期待の星![]() シャルトーニュ・タイエは、1683年にブドウ栽培家として創業し、1960年代からシャンパーニュ造りを始めた家族経営のレコルタン・マニピュランです。蔵が位置するメルフィ村は、ランスの北西にある小さな村ながら、18世紀にはヴェルズネイやアイと並ぶ高価格でブドウが取引されていた歴史を持つ、質の高い土地です。 メルフィは標高の高い丘陵地にあり、ランスの街やモンターニュ・ド・ランスの村々を一望できる地形から、20世紀の二度の世界大戦では戦略的要地となり、ブドウ畑は壊滅的な被害を受けました。1950年代にようやく再建が始まりましたが、かつての栄光は失われていました。 アヴィーズのジャック・セロスという偉大な生産者のもとで修業を積んだアレクサンドルは、この土地の優位性を実感し、2006年に蔵に戻り、先代以上にメルフィのテロワールを表現したシャンパーニュ造りに取り組みました。彼は、メルフィの最大の魅力は「土壌の多様性」にあると語ります。砂質を主体に、標高によって砂岩、粘土、石灰などが混ざり合い、厚いチョーク層を覆う複雑な構造は、ブルゴーニュのように区画ごとの個性を際立たせるテロワールを生み出します。 ![]() この豊かな土壌を活かすため、アレクサンドル氏は除草剤を使わず、馬や人の手で畑を耕すなど自然環境を尊重した栽培を徹底。土壌分析をもとに品種との相性を見極め、収量も厳しく制限することで、凝縮感とミネラル感に富んだシャンパーニュを生み出しています。 また、18世紀から続く家族の日記や古文献を参考に、かつての栽培方法を復活させるなど、伝統と革新を融合させたアプローチも特徴です。単一畑のキュヴェは国内外で高く評価されており、若き造り手の情熱と探究心が世界中の注目を集めています。『ワイン・スペクテイター』のRM特集において、238ワイン中、傑出評価(90-94p)を獲得した28ワインのうち、2アイテムがランクイン。トップへ掲載されるという快挙を遂げており、日本国内でも『ワイナート』42号の「レコルタン・マニピュランのシャンパーニュ104本」のテイスティングにおいて、1999ブリュット・ミレジムが、ピノ・ノワール主体部門の第1位に選出。ブラン・ド・ブランもシャルドネ主体部門で同じく高得点を獲得しています。 柔らかくクリーミー、細身なのに骨太な味わいは、シャンパーニュを飲み慣れている方にも、これからシャンパーニュを知りたい、と思う方にも、全ての方に心からオススメする造り手です。 |
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