メゾン・レノMaison Réno![]() パカレやラピエールの系譜を継ぐ新世代「メゾン・レノ」はシャサーニュ・モンラッシェに位置し2023年に設立されました。共有ワイナリーという形態の中で独自のワイン造り行っています。当主のレノ・パカレはあのフィリップ・パカレの長男であり、フィリップの叔父のマルセル・ラピエールもまた、ヴィン・ナチュールの父と称される偉大な生産者です。 マルセル・ラピエールは、自然派ワインの概念をブルゴーニュに広めた先駆者です。マルセルは、自然酵母を用いたワイン造りの重要性を説き、化学薬品や酸化防止剤に頼らない方法を確立しました。そして彼の影響は甥であるフィリップ・パカレに深く影響を与えました。 フィリップ・パカレは、ブルゴーニュの自然派ワインの象徴とも言える存在であり、プリューレ・ロックで10年間醸造長を務める中で、その地位を不動のものとしました。フィリップは、自然酵母を最大限活用する一方で、そのプロセスを科学的に証明するというアプローチを大切にしてきました。彼のワイン造りは、単なる感性の産物ではなく、土壌、微生物、酵母の働きといった自然現象を徹底的に解明し、それを醸造プロセスに反映させるものです。この哲学が、息子レノ・パカレに深く受け継がれています。 レノ・パカレが共有ワイナリーで独自の挑戦を始めた背景には、マルセルやフィリップの影響が色濃く反映されています。彼は、マルセルが築いた自然派の基盤とフィリップが発展させた科学的アプローチの両方を尊重しつつ、自分の哲学として形作っています。例えば、100%全房発酵や最低限の亜硫酸の使用といった製法は、マルセルとフィリップの教えそのものでありながら、レノ自身の解釈と感性が加わっています。 この三世代に渡るワイン造りの物語は、単なる技術の継承ではなく、家族の絆や哲学の進化を象徴するものでもあります。レノが新たに造り出す味わいは、先人たちの努力と信念を礎に、さらに広がりを見せることでしょう。 |
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