「5名の有望な若手生産者」に選出される自然派の家族経営ドメーヌ

ルネ・ブーヴィエは1910年に現当主の祖父アンリ・ブーヴィエによってマルサネに設立されました。コート・ド・ニュイに30haの畑を所有する家族経営のドメーヌで、ACブルゴーニュからグラン・クリュまで26のワインを生産していますが、ほとんどはマルサネ、フィサン、ジュヴレ・シャンベルタンです。1950年にはルネ・ブーヴィエに引き継がれ、畑は12haにまで拡大。1992年からは現当主のベルナール・ブーヴィエが運営しています。1998年には白ワインの品質で名高い3haの小さな畑マルサネ「ル・クロ」を購入し、こちらはドメーヌの単独所有となっています。2005年には5名の有望な若手生産者」に選出され、2006年にはジュヴレ・シャンベルタンに新醸造設備を建設。2009年には所有するすべての畑でアグリキュルチュール・ビオロジック(ABマーク)認証を取得し、2011年から一部畑においてビオディナミ農法を開始しました。

収穫日こそがワインのスタイルの80％を決める

「美しいブドウとは完熟したブドウである」という考えのもと、20年以上にわたって自然を尊重したワイン造りを行っています。ブドウを注意深く観察し各区画の最高の収穫日を見定めるのですが、日付の選択はとても重要で、この収穫日こそがワインのスタイルの80％を決める大きな役割を担っているのです。収穫の作業はすべての作業の中で最優先され、例えば収穫チームの人数を2倍にして特定の重要な瞬間に速くなるようにしたり、逆に数日間収穫を中断して、ブドウの成熟度を高めたりします。目標は、赤ワインにシルキーで繊細なタンニンを持たせるために完璧な熟成を得ること、そして白ワインにエネルギーとバランスを与えるために果実の新鮮さを保つこと。テロワールやヴィンテージの可能性を強制することなく、ブドウが自然に与えるものを捉えようと「ブドウを尊重する」という理念に沿って栽培を行っています。収量も低めで、ブドウは1本の樹に対して8房までに制限し、平均収量は村名クラスが35hl/ha、プルミエ・クリュとグラン・クリュが30hl/haです。

2つの選別テーブルで慎重に選果

収穫はすべて手摘みで、ブドウが潰れないように20kgの小型コンテナで醸造所まで運び、到着後速やかに2つの選別テーブルで慎重に選別されます。この選別は毎年素晴らしいワインを確保するための重要なステップで、最初の振動テーブルにより、湿気、乾燥した果実、および房に自然に存在する小さな虫を排出し、2番目のテーブルでは、選別機が最良の房と、全房を保っているブドウを選択します。重力によって発酵槽に移されたブドウは1日に1、2回テイスティングを行い、軽いパンチダウンまたはポンプオーバーが必要かどうかを判断します。発酵温度が33℃を超えないように注意することで、各ワインは独自のバランスを見つけていきます。赤ワインの場合キュヴェに応じて約50％を全房発酵させ、フレッシュさ、ストラクチャー、緊張感、複雑さ、そして美しい芳香の持続をもたらすことを目的としています。

太陰暦に従って最適な日時にボトリング

熟成はほとんどの場合澱とともに12カ月間行います。キュヴェにもよりますが、新樽比率は約15〜30％。中火で焼いたバレルを好み、樽で熟成した後ワインは6カ月間ステンレスタンクに移され、ワインは完全な熟成に達します。上級キュヴェは、まろやかなタンニンを得るために少し長めの18カ月間樽で熟成。それぞれテイスティング後、太陰暦に従って最適なボトリングに日時を決定しています。白ワインは純度と味を保証するために軽い濾過を施しますが、赤は清澄されておらず、ほとんどの場合非常に軽く濾過されています。SO2の添加量を減らしていますが、ワインは一定の精度と純度を維持しています。