リマーツRimarts泡に取りつかれた兄弟が造るプレミアムカヴァ![]() カヴァのメッカ、スペインのサン・サドゥルニ・ダノイアに、泡に取りつかれた2人の兄弟がいます。エルネストとリカルド・マルティネス・サンチェス。「マイナス27℃もの溶液にボトルを漬け込むというのは、品質に少なからず影響があるというものさ」と、年間98000本ものカヴァをア・ラ・ヴォレで澱抜きしています。ベースとなるワインにはタイユとキュヴェのみを用い、全てをルミュアージュで仕上げます。そして生産する10のアイテムのほとんどに補糖を行わないという徹底ぶり。まるで小さな赤ん坊を抱くかのように、この兄弟はカヴァの細部に全神経を払います。 「リマーツ」は1987年、彼らの父によって創業したカヴァ専門の家族経営の小さなワイナリーです。「リマーツ=Rimarts」は父の名前に由来し(Ricard Martinez de Simon)、そのフィロソフィは非常に明快です。「モダンな設備で精密で最高のカヴァをつくること」。その思いは、現在彼の2人の息子と妻モンセに確実に継承されています。原料となるブドウはグアルディオラ・デ・フォン・ルビと、サン・セバスティアン・デ・ロス・ゴルグに広がる合計25haの契約農家からの供給によるもので、全てがビオロジコ認証を取得しています。前者は標高400m、石灰質土壌の南東斜面に樹齢20年以上のシャルドネやピノ・ノワール、ガルナッチャが植わり、後者は標高210mの砂質土壌の南東斜面、樹齢20年以上のチャレッロやマカベオ、パレリャーダによって構成されています。どちらも灌漑は一切行わず、1株につき6房まで収量を落とすなど、契約農家からの供給とはいえ、目指すカヴァの味わいに照準を合わせ、それぞれの畑のオーナーと2人の兄弟によってテーラーメイドのように厳格に管理されています。 長期熟成による旨みの抽出![]() 8月下旬から9月の下旬にかけて、厳選しながら収穫されたブドウは共同の醸造スペースを使用し原酒となります。この原酒づくりには一切の雑味を排除する目的から、フリーランと一番搾りで得られる果汁のみを使用。20℃を上限とし、マロラクティック発酵なしで発酵させたワインは4カ月間、澱とともにステンレスタンク内で静置。ごくわずかの酸化防止剤をタンク内で加え、クラウンキャップで瓶に詰めた後、原酒となるワインは初めてリマーツのセラーに移動されます。彼らのセラーは、カヴァとしてのクオリティを大きく左右する二次発酵からのエルヴァージュに専念するためのもの。なお、酸化防止剤として使用するSO2の総量は、全てのアイテムで50mg/L以下。フリーSO2はほとんど無いと言っていいほど少ない量です。移動された原酒にティラージュを施した後、手作業によるルミュアージュによって熟成させます。 ベースのレセルヴァで法定熟成期間を上回る18カ月、ベースのグラン・レセルヴァでも法定熟成期間を大きく上回る40カ月もの熟成で、確実に旨味と複雑味の抽出を図ります。デゴルジュマンは1本1本ア・ラ・ヴォレで行われ、目減りした分の門出のリキュールの代わりに一番搾りのワインを加えます。つまりドザージュはなし。「品質とはカヴァ造りの膨大な工程の全てにおいてどう配慮したか、その積み重ねによって決まる」リマーツは巷溢れる粗野で痩身で徹底的に安価なカヴァとは対極の、いわばクラフト・カヴァとも呼ぶべき立ち位置なのです。 |
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