ピエール・ヴァンサン　ムルソー　レ・クロト　2023

果実の美しい深みと長く力強い余韻

ピエール・ヴァンサンは2023年にオーセイ・デュレスに設立されたドメーヌです。ピエール・ヴァンサンはプレモーの名門、ドメーヌ・ド・ラ・ヴージュレでテクニカル・ダイレクターを務め、IWCの赤ワイン部門の最優秀ワインメーカーを2度も獲得。その後、ブルゴーニュ白の最高峰・ルフレーヴで2017から2024年まで総支配人を務めたブルゴーニュのトップ・ワインメーカーの1人です。オーセイ・デュレスのドメーヌ・テール・ド・ヴェルを友人2人と共に購入し、自らの名を冠して2023年にドメーヌをスタート。ブドウのエネルギーをワインに再現することを哲学とし、ビオディナミで栽培。果実へ可能な限り敬意をもって、介入を最小限にした方法でワイン造りを行っています。ブドウの品質を高め、ディテールのすべてにおいて卓越性を目指しており、まるでオート・クチュールの作品のような繊細で直線的、緊張感がありながら飾らない、純粋さを持つワインを生み出しています。

ムルソーの1級畑ポリュゾの下方に隣接する北東向きの約0.12haの村名区画。「クロト」という名前は、労働者が泥だらけのブーツで出勤することが多かったことから、フランス語「crottes」（泥の塊）に由来しているそうです。空気圧でゆっくりと優しく圧搾し、一晩静置します。アルコール発酵は部分的にステンレスタンクで行われ、樽（新樽15%）に移された後にマロラクティック発酵と12カ月間の熟成。再度ステンレス製の樽に移し替えられ、6カ月間熟成後に瓶詰め。

熟したリンゴ、レモンコンフィを感じる爽やかで涼やかな香り。適度に力強く、鉱物的なニュアンスは厳 格さを感じさせます。低斜面の畑ならではの果実の美しい深みがあり、長く力強い余韻が続きます。