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ズバリ一番の魅力はリンゴの心地よさ。
仄かに苦味を伴った爽やかな青リンゴと、熟した赤りんごの甘みが共に感じられる。
後者は蜜の風味と絶妙にマッチ。
そしてキラメキのあるミネラル。
シャルドネ単一の魅力がしっかりと表現された秀逸なクレマンだ。
冷菜系の前菜、そして比較的淡白な和食全般にマッチするのではないかと思う。
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かなり淡い色目。美しくキラキラ輝いている。
柔らかめの青リンゴが心地よく立ち上がる。マスカット、あるいは少しトロピカル。
しかし。
味わいは綺麗なレモン。
いい意味で線が細くキラキラしたミネラルと艶のある快活な酸。
レタスのようなミントのようなヴェジタル感。
味わいの透明感。これはかなり秀逸だ。
家飲みのシャルドネとしては、好みの問題だが私のゾーンにはピタリ的中。
飲み飽きない。
それが肝心だ。
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軽快なイースト香が泡の揮発とともに立ち上がる。
味わいはレモンと青リンゴ。
ドサージュはかなり控えめな印象でそれなりにドライだが、自然な甘みを持った健全な酒質といった印象。
グレープフルーツの薄皮的な苦味が心地よい。
キラっとした硬質なミネラル。
こういう健全なクレマン、見つけておくと家飲みに重宝する。
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クラシカル系の作りのキャンティで定評のあるオルマンニ。
やや淡目の優しい色目。
香りは比較的ネットした凝縮感を予想させる。
そこに揮発アルコール。
味わいは..ほどよく穏やかでほどよくジャミーな凝縮感のあるレッド系のベリー。
タンニンは収斂的に口元をキュっとさせる。
焦げ感のある樽香だが嫌味はない。
カカオの深み。
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なかなか秀逸なシノンだと思う。
抜栓直後は、クランベリー的なチャーミングでシャープな酸と、少し冷涼なカシスの果実の風味が立ち上がる。
薔薇の茎を思わせる心地よい青さはどこかツヴァイゲルトを連想させる。
酒質の印象は良好で濃いエキスだが緊張感とシャープさを備えている。
アフター、そして抜栓後暫くしてからは、親しみやすいリッチなブルーベリー的風味が広がる。
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トースト的な比較的軽快なイースト感がまずはフワっと立ち上がる。
果実はまさにルビーグレープフルーツ。そこに蜜をかけたような親しみやすい風味。
ミント的な青さ、艶のある食感も心地よい。
ともあれ絶妙な糖度感だ。ブリュットの範囲内で素直に甘えられる、そんなツボにハマるエキスの具合。
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たちあがる香りは、いい意味でオースドックスな親しみやすいフランボワーズの風味。奥に梅キャンディーの切ない甘酸っぱさが。
エキスは比較的穏やか。タンニンは緻密で酸は中庸かつチャーミング。
熟成感は一見それほど強くないのだが、しかしアフターに旨味成分がジワジワと感じられる。さすがだ。
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茎や青い木の葉などの植物的な風味、クランベリー的な果実感といった「若々しいベクトル」と、ブルーベリー的で親しみやすいエキス感の「リッチな方向性」が共存する盛りだくさんなバランス感だ。おそらく、少量のメルローがツヴァイゲルトの個性をよい按配に収めているのだろう。
ちなみに、個人的には抜栓の翌日以降がより開いてくる印象を持った。抜栓直後は前者のベクトルが支配し、翌日以降に後者のベクトルが立ってくるというプロセスだ。
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なんと、希少土着ロッセーゼ単一。
ファンタジックなエチケットは見ているだけで笑みがこぼれる。
予想よりは色づきのある外観。
パイナップル的なトロピカル香がまず立ち上がる。
さて味わいは。フレッシュハーブと乾燥系ハーブがダブルで押し寄せつつ、先のパイナップルに、柑橘、花梨、アプリコットなどの果実が重層的に主張する。そして意外にも仄かにドライシェリー的な酸の立ち方。アルコール感も高め。苦味とミネラルも頼もしい。
なんというか、ポジティブな意味での手強さがあるワインだ。偉大な品種なのだと思う。
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これはなかなかに上手な仕上がりのピノ・ノワールだ。
明るいキラリとした色調のルビーレッドが美しい。
立ち上がりは意外にもコンガリした集焙感。
そこからイチゴ香がポワンと顔を出す。
味わいは、線は一見細めだが凝縮感のあるイチゴとフランボワーズ。樽ニュアンスとの相性もよい。
秀逸なのはミッドからの旨味。ダシ感に長けている。
酸は親しみやすい仕上がり。
余韻は長め。果実感がながく心地よく残存する。