こんにちは、ショップスタッフの北澤です。
先日、スタッフ向けの熟成ワイン勉強会に参加しました!
ワイングロッサリーでは定期的にお客様へ向けた熟成ワインセミナーを開催しておりますが、
「私たちスタッフも内容を学びたい!」と社長にお願いして、開催が決まりました。
熟成のシャンパーニュやガメイ、さらには飲み頃が気になる60年代と、とても学びの多い会となりました。
準備段階でもスタッフが参加し、普段なかなか抜栓できない熟成ワインを実際に抜栓しました。20年以上たったワインばかりで、一番古いものはなんと1969年のワイン!
ゆっくりソムリエナイフを入れてもコルクが脆くて下に落ちてしまったり、途中で折れてしまったり、失敗もありましたがそれもまた貴重な経験でした。
今回の勉強会で学んだことは、いろんな要素が重なりあって、熟成にも劣化にもなりうるということです。良い熟成をする上で最も大事なことをお伝えしたいと思います。


《熟成と劣化は別物》
熟成=調和・複雑さが増す方向。果実の核が生きていれば熟成。
劣化=酸化過多・揮発酸増・熱劣化・光劣化。核が抜け酸化臭のみは劣化。
《何が熟成力を決める?》
酸(pH):低pHほど酸化・微生物が抑えられて長持ち。冷涼な産地は特に低い。
フェノール量:タンニン豊富な赤(カベルネ・ソーヴィニヨン、ネッビオーロ等)
SO2:抗酸化・抗菌の盾。
アルコール・当:酒精強化や極甘は保存性が高い。
《飲み頃のお話》
早飲みタイプのワインは2~3年で飲み頃を迎える。熟成タイプは5~6年、10年~25年や、何十年もかかるものもあります。印象的だったお話は、ワインの熟成はステーキの焼き加減と同じだということです。レアが好きな人もいれば、ウェルダンが好きな人もいて、人それぞれワインの飲み頃の好みは違うというお話でした。

《ワインの熟成条件》
①12℃~15℃の一定の温度
※短期であっても25℃越えは避ける
②紫外線を浴びない所
③コルクが乾燥しない、適度な湿度のある所
④振動のない所
※冷蔵庫NG、押し入れもNG、ワインにとってセラーが一番良い環境です!
《熟成とお料理のマリアージュ》
白(シャルドネ)の熟成
『ナッツ』『蜂蜜』『バター』『茸』『旨味』官能的な香りとまろみが溢れてて、もはや¨味わう禅¨
・ホタテのソテー バターとレモンのソース
・鶏胸肉の低温調理 ハーブとお塩だけ
・炙り太刀魚や、あん肝のポン酢がけ
赤(ピノ・ノワール)の熟成
派手な果実味よりも、『枯葉』『キノコ』『土』『紅茶』
誌的な世界なのでお料理もそれに寄り添う¨静かな美味しさ¨
・鴨とポルチーニのソテー
・仔牛のロースト、赤ワインとマスタードのソース
・鰹のたたき(ニンニク控えめで)


《実際に試飲したワイン》
シャンパーニュ フルーリー ブリュット NV
アルマン・ヴァンスノ ボーヌ・プルミエ・クリュ ブレッサンド ブラン 1997☆
ローラン・ピニャール ボージョレ・ヌーヴォー 2010
アンリ・クレール ブラニィ プルミエ・クリュ ルージュ 1981☆
ドメーヌ・ポチネ・アンポー ヴォルネイ プルミエ・クリュ レ・サントノ 1969☆
シャトー・フェラン・セギュール 1982☆
ドメーヌ・サン・ペレフェール シャトーヌフ・デュ・パプ 1991☆
※☆がついているものは販売中のアイテムです。

《特に印象的だったアイテム》
・シャンパーニュ フルーリー ブリュット NV(デゴルジュ後15年~20年)
勉強した際に名前は聞いていたけれど、実際にメイラード反応によるシャンパーニュの味わいの変化で、
香ばしいナッツ香やビスケット、トースト、蜂蜜のような複雑なアロマを感じることができました。
・アルマン・ヴァンスノ ボーヌ・プルミエ・クリュ ブレッサンド ブラン 1997
村名~グラン・クリュまで幅広い銘柄を出してきたネゴシアン系の造り手。
果実味、酸ともに柔らかい印象で、気軽に古酒を楽しみたい方にオススメです。
・ローラン・ピニャール ボージョレ・ヌーヴォー 2010
15年の時を経て、果実味は柔らかく控えめでほんの少しスパイシーさがありました。
今でも美味しいのですが、飲み頃は5年前だと思われました。
・アンリ・クレール ブラニィ プルミエ・クリュ ルージュ 1981
スタッフ大絶賛!81年という年ブルゴーニュにとってあまり良い年ではありませんでしたが、
しっかりとした酸に、ドライチェリーや、キノコ、紅茶のニュアンスが感じられながら甘やかな果実もあり、とても良い熟成をしていました。
ドメーヌ・ポチネ・アンポー ヴォルネイ プルミエ・クリュ レ・サントノ 1969
レ・サントノはムルソー村の区画だけれど、赤で作るとヴォルネイ プルミエ・クリュと表記される特例クリマ。歴史的な優良年だった69年。果実と酸のバランスが素晴らしく、スタッフ皆で驚きました!



ワインは知識として学ぶだけでなく、実際に体験することでこそ深く心に刻まれるものだと改めて感じました。
熟成ワインの奥深さを体感したことを忘れずさらに学びを深め、これからも皆様にワインの楽しみをお伝えしていきたいと思います!
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