WEB店長の細川です。

先日、日本酒界のトップ蔵の一つとして名高い木屋正酒造を見学してきました。

私はワインだけでなく日本酒も飲みますが、木屋正酒造のお酒はやはり憧れの存在。今回訪問できる機会をいただき、大変ワクワクしていました。
ワインで例えるなら、アルマン・ルソーやコシュ・デュリのような存在でしょうか。

■木屋正酒造とは

1818年(文政元年)創業、三重・名張の老舗酒蔵。6代目蔵元・大西唯克氏が2005年に全国的な人気銘柄「而今」を生み出しました。伝統を守りながらも最新技術を融合し、高品質な日本酒を追求し続けています。創業以来の銘柄「高砂」も、長きにわたり親しまれてきた代表銘柄です。

■新蔵

日本酒の蔵と聞くと、大きな木の引き戸や瓦屋根、木桶や大きなタンクが並ぶ空間を思い浮かべる方も多いと思います。しかし新設された蔵は、驚くほど現代的な建物でした。
説明を聞く前から、「伝統と最新技術の融合」を体現していると感じました。

決して量産型ではなく、丁寧でクリエイティブな酒造り。
大西さんは工学部出身。その思考は蔵にも表れており、繰り返し作業は機械に任せ、創造的な部分は人が担う。そして社員が働きやすい環境づくりにも徹底して配慮されています。

イタリア製ラベル貼り機
−4度の部屋の隣に結露を取る部屋

■酒造りへの想い

「酒は人が造っているようで、微生物が造っている。人は微生物が次へバトンを渡しやすい環境を整える存在だ。」

その言葉がとても印象的でした。

木屋正酒造の酒造りは、「人が造る」というよりも、「人と自然が共に醸す」という表現がしっくりきます。伊賀の寒暖差、伏流水、土壌、そこに棲む微生物。すべてが主役であり、人はその力を最大限に引き出す設計者であり伴走者なのだと感じました。

支配するのではなく、観察し、対話し、共鳴する。
その姿勢は、自然に寄り添う偉大なドメーヌにも通じるものがあります。

そしてこの酒造りは、今この瞬間の完成だけを目指すものではなく、地域の風土と技術を後世へ繋ぐ営みでもある。
人・自然・時間。その循環の中に「而今」という存在があるのだと実感しました。

日本酒はワインに比べれば価格的に良心的です。
しかしその背景にある哲学や技術、風土の物語は、決して軽いものではありません。

日本ワインも国酒ですが、日本酒もまた日本の誇るべき国酒。
その価値と魅力を、今以上に丁寧に、そして情熱をもって皆様に伝えていきたいと強く思いました。

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