こんにちは!
ワイングロッサリー日本ワイン担当の業務部・伴です。
今回は鳥居平今村の新ヴィンテージお披露目セミナーに参加してきました。

ワイングロッサリーの日本ワインの中でも絶大な人気を誇る鳥居平今村。
日本ワインの発祥地とも言われる勝沼の中でも、特に優れた区画「鳥居平」を中心に畑を展開するこのワイナリーは、創業1877年。日本最古の民間ドメーヌ型ワイナリーとして、国内外から高い評価を受けています。

現在は4代目・今村英香さんが運営されていますが、歴代当主の功績も非常に印象的です。
初代・興三郎氏は甲州やベーリーAの長期熟成の可能性に早くから着目し、他に先駆けて挑戦。
2代目・米蔵氏は地元農協の創設者として農業全体に貢献。
3代目・英勇氏は、買い手がつかず廃棄されそうだった勝沼産ブドウをすべて買い取り、農家を支援。さらに廃線となった電車のトンネルをワインカーヴとして再利用するなど、地域に根ざした取り組みを続けられました。そしてこの英勇氏こそが、鳥居平今村の生みの親でもあります。

そんな背景を持つ鳥居平今村のワインは、世界的なソムリエから「日本の国酒」と称されるほどの逸品。国内外の著名なソムリエたちも高く評価し、国際的な場でも提供されるなど、日本ワインの象徴的存在となっています。

2024年ヴィンテージの印象

今年のヴィンテージは、夏までは順調に生育が進みましたが、9月の台風や大雨により病害や玉割れの懸念も。しかし、醸造家の皆さんの努力により大きな被害は免れ、収量も問題なく、ブドウは非常に綺麗な酸と美しいミネラルのブドウが収穫されたとのことです。

甲州:非常にクリーンで、酸とミネラルが際立つ味わい。
マスカット・ベーリーA:香りは穏やかで、濃い目の味付けのお料理にもマッチする味わい料理にも寄り添う柔らかな表現。
ブラック・クイーン:すでに角が取れ、丸みと力強さを兼ね備えた味わい。赤ワインは樹齢の影響でえぐみが減り、すぐに楽しめる品質に。

区画ごとの個性も際立っており、標高の高い畑では酸とミネラルが豊かに、中腹〜低地では厚みのあるしっかりした味わいに仕上がります。料理とのペアリングの幅も広く、これほど多彩な表現ができるのは鳥居平今村ならではです。

特別区画・熟成ワインの魅力

特別区画「上菱平」から造られる甲州ブランは、今飲めばキリッとしたブルゴーニュのような味わい。5年ほど熟成させると、酸とミネラルに厚みが加わり、現代的ムルソーを思わせる風格に変化します。
また、2004年や1990年以降の熟成ワインも販売されており、甲州やブラック・クイーンの熟成による変化には驚かされます。特に2004年ヴィンテージは、手頃な価格で熟成の魅力を体験できるおすすめの1本です。これほど多彩でありながら、どれも驚くほど高品質な鳥居平今村のワイン達。どれも妥協のないクオリティに圧倒されます。


和の調味料とのペアリング
セミナーでは、日本の調味料とのペアリングも実施。ワサビや練りからしには甲州、
醤油・味噌・山椒にはマスカット・ベーリーAやブラック・クイーン。和食との相性の良さを改めて実感できる内容でした。

最後に、今回のセミナーは、3代目当主・英勇さんのご逝去後初の開催でもありました。
ご存命中の多大なご貢献に感謝を捧げるとともに、鳥居平今村の魅力をこれからも多くの方に伝えていく決意を新たにした一日でした。

鳥居平今村の詳細は、以下のリンクよりご覧いただけます。
https://www.winegrocery.com/c/1373/1221
2024年ヴィンテージの販売も近日中に開始予定です。
ぜひ、お好みに合う1本を見つけていただければ嬉しいです。