代表の吉田まさきこです😊
先日、ブルゴーニュの生産者プリューレ・ロックのヤニック氏が来日され、ランチを囲みながらワインをいただきました!

ワインそのものはもちろんですが、この日は特に「ヤニック氏のプリューレ・ロックとは、どんなドメーヌなのか」その輪郭が、よりはっきり見えました。

■ プリューレ・ロックというドメーヌの軸

プリューレ・ロックは、アンリ・フレデリック・ロック氏が興したドメーヌ。DRCの共同経営者としても知られたアンリ氏は、ブルゴーニュの中でも特別な存在でした。

しかしアンリ氏はあまりにも突然この世を去り、その後を継いだのが、長年右腕として畑と醸造を支えてきたヤニック・シャン氏でした。ヤニック氏は、ドメーヌを自分の色に塗り替えることはせず、アンリ氏が大切にしてきた哲学を、静かに誠実に受け継いでいます。

1991年からの有機栽培、補糖・補酸をせず、SO2も最小限。マルセル・ラピエールやピエール・オヴェルノワから学んだ「人がやりすぎない」という考え方は、今もプリューレ・ロックの根っこにあります。

現在は22haを所有し、その半分以上がモノポール。数字だけを見ると、とても「強い」ドメーヌですが、強く造ろうとしない、派手に見せようとしない。あくまで、畑と年に耳を澄ます。その姿勢が、ワインの輪郭としてはっきり現れています。

■今、プリューレ・ロックが選んでいる道

印象的だったのは、「これ以上、畑は増やさない」というヤニック氏の言葉です。量を増やすよりも、意味のある畑と向き合うことを大事にしたい、と、2025年からは、ヴォーヌ・ロマネの一部区画を手放し、新たにシャンボール・ミュジニーの畑が加わる予定だそうです。
(プリューレ・ロックの造る、シャンボール・ミュジニー!飲んでみたい♪)

拡張ではなく、入れ替え。パワーではなく、精度。ここにも、「フィネスを選ぶ」という姿勢が表れているのだと感じました。

■ この日いただいたワインたち

この日のワインは、まさにその哲学を体現するラインナップ。

・Savigny-lès-Beaune Dessus les Gollardes 2021 / 2022
 赤い果実のピュアさと、きれいな酸。軽やかですが、薄くはなく、年の違いがとても素直に表れています。

・Gevrey-Chambertin 1er Cru Vieilles Vignes 2022
 古木らしい奥行きはありつつも、力で押す感じはなく、酸とミネラルが静かに骨格を作っています。

・Gevrey-Chambertin 1er Cru Le Clos des Varoilles Monopole 2022
 香りは控えめですが、口に含むと情報量が多く、土やスパイスが順番に現れます。

・Nuits-Saint-Georges 1er Cru Le Clos des Corvées Monopole 2022
 「静かな迫力」。とてもシックなのに華やか、優しいのに美しい芯があり、ロックらしさ満開!

どのワインにも共通していたのは、力で語らずに柔らかく、でもどれも忘れがたい。それがプリューレ・ロックの凄さですね(*^_^*)

■ フィネスは、必ずパワーを超える

ランチの途中、ヤニック氏が話してくれた「フィネスは、必ずパワーを超える」という言葉がとても印象的でした。

太陽が強すぎると若いうちはパワフルでも、テロワールの輪郭がぼやけてしまう。日陰の区画のほうが、土地の個性がはっきり出ることもある。
だからこそ、造り方を決めつけずに、その年、その畑の声を聞いて年ごとに区画を分けたりあえてブレンドしたりする。

その姿勢こそが、プリューレ・ロックの本質なのだと感じました。

ヤニックさん、そしてご一緒した皆さま、ありがとうございました!

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