先日、ドイツワイン界を代表する生産者「フリードリッヒ・ベッカー」のご当主フリードリッヒ・ベッカー・ジュニアさんが来日され、ワイングロッサリー本店にご来店いただきました!

こんにちは!リースリング大好き♪ドイツ担当の瀬尾です!

私含め、WGスタッフはみんなベッカーさんの大ファン! キツネのバッジを胸につけて待っていたスタッフに、笑顔で対応してくださるベッカーさん。ご挨拶のみと思っていたところ、なんとミニセミナーまで開いてくださったのです!

直接ワイン造りについてお話を伺いながら、スタッフにも人気の爽やかな「リースリング&ゲヴュルツ」や、圧巻のトップキュヴェ「シャルドネ・ミネラル」「ザンクト・パウル」などを試飲。スタッフみんな大感激の美味しさでしたが、特に驚いたのが「ザンクト・パウル」。ベーシッククラスのピノ・ノワールも素晴らしい味わいですが、この特級キュヴェはまさに別格…。恐ろしいほどのポテンシャルを感じる、すさまじいワインでした…!

それでは、ここでベッカー醸造所の歴史について少しだけご紹介いたします。

かつてファルツ最大の協同組合醸造所の御子息であった、前当主のフリードリッヒ・ベッカー・シニアさん(少々ややこしいですが、ベッカーさんの家系は代々襲名制で同じお名前なのです。今回来日されたベッカー・ジュニアさんのお父様にあたります)。戦後の荒廃から地元を救った英雄的な協同組合でしたが、シニアさんは当時南ファルツのワイン生産の大半を担っていた甘口の白ワインから、フランスのブルゴーニュのような辛口の赤ワイン、ピノ・ノワールを作ると宣言し独立。周囲からの反発は相当なもので、「ベッカーのブドウはすっぱくで不味い」と言われ続けました。しかし、自分の信じた道を突き進んだベッカーさんの作るワインは、権威あるワインガイド「Vinum」や「ゴーミヨ」で何度も最優秀赤ワイン賞に輝くなど、世界中で名声をほしいままにしていきます。

そんな前当主ベッカーさんの息子、ベッカー・ジュニアさんに代わってからは 、ピノ・ノワールだけでなくリースリングやシャルドネ、ピノ・ブランなどの白ワインにも注力されており、2012年に新しく発表した「ムッシェルカルク・リースリング」は、Vinum誌で最優秀辛口リースリングにも選ばれています!

もっと知りたい!という方はぜひこちらのページをご覧ください(^^)/

元総合格闘家という肩書が相応しいワイルドな見た目に反して、とっても気さくなベッカーさん。「この後Tシャツとスニーカーを探しに行くんだよ、どこかいいところしらない?」と日本を満喫されているご様子。スタッフの質問や写真の依頼にも快く対応してくださいました。暖かいお人柄に、さらにファンになりました!お忙しい中、ご来店いただきありがとうございました!

そして、夜には御池の名店イタリアン「リストランテ ストラーダ」さんにて、生産者ディナーを開催!ベッカーさんのワインと、ストラーダさんの美味しいお料理を合わせてお楽しみいただく、特別なディナーです。私もスタッフとして参加させていただきましたので、その様子をご紹介いたします。

乾杯はゼクト「サロメ」でスタート。 ワインを楽しみながら、醸造所の歴史やワインの作り方、土壌などについて話されるベッカーさん。紆余曲折の後に今の地位を獲得したベッカー醸造所。決して楽な道のりではなかったこと、ただただ自分たちの信じる道を突き進んだ結果、今があること。

「たくさんの苦労の末に、今のこのワインがある。こうして皆さんの前で歴史を語り、ワインを飲んでもらえるのが本当に嬉しいんだ」

熱い思いが伝わってくる、ベッカーさんのお話に 皆様興味深そうに耳を傾けていらっしゃいました。私も醸造所の歴史については存じておりましたが、やはりご本人の口から伺うとその苦労や努力の重さがより感じられ、改めて尊敬の念が沸き上がりました。

ではここからは、お料理とワインのマリアージュにも注目し、一皿ずつご紹介させていただきます!

一皿目

キュヴェ「サロメ」ゼクトブリュット NV×サーモン・キャヴィア

瓶内二次発酵、4年以上の瓶内熟成を経てリリースされるスパークリング。キレと旨味のバランスが抜群で、濃厚なサーモンとキャヴィアを引き立て、かつスッキリとまとめてくれました。

キュヴェ・サロメは、醸造所当主フリッツさんの姪、サロメちゃんの誕生を記念して造られたキュヴェ。毎年セパージュが大きく変わるのが特徴です。ベッカー醸造所は、フランス国境に接する、地域で最南端のシュヴァインゲン村にあり、所有する畑の70%は国境を越えたフランスのアルザス地域にあります。お話の中で、お客様から「どちらの国に税金を払っているのですか?」という質問が飛び出しました。土地にかかる税はフランスに、ワインになってからかかる税はドイツに払っているのだそう。「できればすべてドイツのために払いたいんだけどね」と自国愛をのぞかせていました。

二皿目

ムシェルカルク・リースリング 2022 × しまあじ、ひらめのカルパッチョ

貝殻石灰岩の土壌で育った古樹のリースリング。美しい酸と豊富なミネラル感が新鮮なお魚と完璧な相性!気づいたらグラスが空いている、そんなマリアージュです。

こちらはVinum誌でも最優秀辛口リースリングを受賞した経験のあるキュヴェです。お次に話題になったのが、かつて「酸っぱいブドウ」と後ろ指をさされた経験を、イソップ童話の「キツネとブドウ」のお話になぞらえてデザインされたキツネのエチケットについて。お客様から「このキツネには名前があるんですか?」と質問が飛びました。「名前はないよ、ただのキツネ。つけるとしたら、うちは襲名制だからフリードリッヒだね」と笑いながら答えるベッカーさんでした。

三皿目

カルクゲシュタイン・ヴァイサーブルグンダー・トロッケン 2020 × 和牛の塩肉 フレッシュトマトのソース

石灰岩土壌で育ったピノ・ブラン。長期間のスキンコンタクトによる旨味とミネラルが究極のバランスを奏でます。白×お肉という意外性でお客様から最も好評を得たマリアージュです! 「固定概念を覆された!」と感動のコメントをいただきました。

「このワインは、醸造ではできるだけ手を加えない。だからこそ、畑での丁寧な仕事が大切なんだ」と語るベッカーさん。健康なブドウでなければ、ハンズオフのアプローチや長いスキンコンタクトにはとても耐えられません。いかに畑を大切にされているかを感じる、特別な1本です。カルクゲシュタインは、京都での取り扱いはワイングロッサリーだけ!こちらからご購入いただけます(^^)/

四皿目

シャルドネ・ミネラル 2018 × 蒸しアワビのソテー

石灰岩土壌に粘土の表土が覆う畑に植わる、古樹のシャルドネ。リッチな果実に、新樽率80%以上とは思えないほどきれいに溶け込んだ樽の風味!アワビの無知っとした食感とバターの効いたソースと合わせて…うっとりしてしまうようなマリアージュ!

実は1999年以前、ドイツワインのボトルに「シャルドネ」と表記することが認められていませんでした。シャルドネでワインを造ったとしても、すべて「テーブルワイン」として販売しなければならなかったのです。そのため他の生産者が本格的にシャルドネを栽培し始めたのは最近の話。しかし、 ブルゴーニュのようなワインを目指していたベッカーさんは、表記が許可される前からシャルドネを植えていました。そのため、高樹齢のブドウを使用することができるのです。また、こちらのワインは瓶詰の後2年以上セラーで熟成してからリリースされています。「ドイツのシャルドネのすばらしさを世界に広めたいんだ、だから一番いい状態でリリースしたい」そんな思いで実現された、究極のシャルドネです。

五皿目

ピノ・ノワール 2019 × 伊賀乃もち豚のラグー リガトーニ

80%を大樽、20%を小樽で熟成させている、ベーシッククラスのピノ・ノワール。チャーミングで華やかな味わい。香味野菜をたっぷりつかった、味わい深くも優しいパスタにピッタリでした。

ベッカーさんの作るピノ・ノワールは、どのレンジも「解放式発酵樽で発酵→樽熟成→瓶詰め」という、非常にクラシックな方法で造られています。「いい生産者ほど、シンプルに造っているから」というのが理由なのだそう。ドイツのピノ・ノワールへのイメージを変えてほしいという思いで、手に取りやすい価格かつ高品質なワインに仕上げています。あくまでも気軽に飲めるように、シリアスな味わいになりすぎないよう心掛けているんだとか。 こちらからご購入いただけます(^^)/

六皿目

ザンクト・パウル ピノ・ノワール 2017 × ブルターニュ鴨のロースト

ベッカー家が開墾した特級畑のピノ・ノワール。凝縮した果実とミネラル、圧巻のトップキュヴェです。フランス産鴨のローストに、アスパラとトリュフのソースを合わせた一皿。複雑で重厚な香りが絡み合う、贅沢なマリアージュ!

特級畑ザンクト・パウルがあるのは、アルザス領のかつて修道院が管轄していたお城の西隣り。石灰の岩塊の上にある南向きの斜面で、「あまりにも条件が良すぎて、いいピノ・ノワールを作るには簡単すぎる」と語るほどの畑。非常に硬い石灰土壌のため、ブドウが根を伸ばすのに非常に時間がかかるそう。そうした苦労により、凝縮感のある素晴らしいブドウができるのだとか。驚くほどの熟成能力を持っており、2,30年の熟成を経て真価が発揮されるスケールの大きなピノ・ノワールです。若いヴィンテージを飲む際には3時間前のデキャンタージュをとのことでしたので、今回の2017年はダブルデキャンタージュを施しご提供。温度が上がるにつれて開いていく、味わいの変化もお楽しみになられていました。

七皿目

ドルチェ パイナップルのティラミス

ベッカーさんへの愛情が込められた、キツネのイラストが描かれたデザートプレートが登場!会場は一気に大盛り上がりとなりました。 台湾産フレッシュパイナップルの甘さが際立つティラミスで、ディナーを締めくくりました。

今回、素晴らしいお料理で楽しませてくださった、ストラーダの大塚シェフとスタッフの方々。なんと前日は徹夜でメニューを考案されていたとのこと!その情熱に心から拍手です。さすが、感動のマリアージュでした。 お店の棚にはベッカーさんのワインの空瓶が飾られており、ご本人も感激されていました。細やかなお心遣いと、美味しい料理の数々…本当にありがとうございました!ぜひ、皆様もストラーダさんで美味しいイタリアンをご堪能ください!

Ristrante STRADA oike

〒604-0954

京都市中京区御池通柳馬場東入東八幡町579

定休日:月曜・第4火曜

営業時間

11:30~15:00(14:00 L.O.)
17:30~22:00(20:30 L.O.)

総勢七皿、六種類のワインが供され、参加者の方々はお腹いっぱい、大満足のご様子でした。 終始、笑顔と感動の渦に包まれたディナーとなり、「こんなに楽しいディナーを仕事と言っていいのかな。日本ではハードに仕事してることになってるから、妻には内緒だよ」と、ご満足いただけたご様子でした。

お茶目でパワフルなベッカーさん、でもワインはとってもエレガント!そんなギャップがとっても魅力的で、さらにファンになってしまいました。ベッカーさんの熱い思い、その結晶であるワインをたくさんの方に楽しんでいただけるよう、しっかりご紹介していかねば!と襟を正す思いです。

いかがでしたでしょうか。ディナーの興奮が少しでも伝われば幸いです。皆様もぜひ、この機会にベッカーさんのワインを飲んでみてくださいね♪


🦊ベッカーさんのワインはこちら

ベッカーさんのワインを飲んだことないなんて、勿体ない!今回ご紹介したワインのほかに、大人気のロゼや絶品のアイスワインも。 同じファルツの親友ゲックリンゲン村のトーステン・ドールさんとマイカンマー村のマティアス・スタッヒェルさん2人のブドウを使用して作る「デア・クライネ・フリッツ」もオススメです!