飲むものを異次元の世界へ引き込むほどの魅力

ブルゴーニュの赤の中で最も洗練され、一番長命で、最後には最高のビロードのように熟成するワインはコート・ドールの北部で生まれます。その中でもシャンボール・ミュジニィのワインはどれも素晴らしく、人を虜にする繊細な芳香、官能を刺激する独特の香りで包まれています。

シャンボール・ミュジニィは、コート・ド・ニュイ地区の赤ワインのなかで最も「女性的」と形容されることが多いのですが、実際は24のプルミエ・クリュと2つのグラン・クリュの間にはかなりの差異があります。

まず、村の北側、グラン・クリュ街道の下手にあるプルミエ・クリュのなかでも特に素晴らしいのは、フュエとクラ。フュエのほうが丸みとボディのあるスタイル、クラのほうがミネラルに富んだスタイルとなります。どちらも肉付きの良い芳醇なスタイルです。

村の中央には1級畑が多数ありますが、注目すべきはフスロットやシャルム。フスロットはシャンボール・ミュジニィらしい芳香のある深みのあるワインが多く安定した品質。シャルムは英語ではチャーム(かわいらしい)という意味を持ちますが、決して抱きしめたくなるようなチャーミングなワインとは言えず、堅牢で張りつめた印象をもちます。

南側で特に素晴らしいプルミエ・クリュがレ・ザムルーズで、他のシャンボールワインにはない芳香をもちます。

また、グラン・クリュの性格もまったく異なります。

北側のボンヌ・マールは、赤い土と白い土が見られます。若いうちは強烈にフルボディですが、青年期を過ぎると信じられないほどの魅力を醸し出します。

南側のミュジニィはシャンボールの最高中の最高のワインで、飲むものを異次元の世界へ引き込むほどの魅力をもちます。

主要生産者

・アミオ・セルヴェル　Amiot Servelle
・ジスレーヌ・バルト　Ghislaine Barthod
・ジャック・フレデリック・ミュニエ　Jacques Frederic Mugnier
・ジョルジュ・ルーミエDomaine Georges Roumier
・コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ　Comte Georges de Vogue