Vol.001 ジャクソン

JACQUESSON

Vol.001 ジャクソン

8ha が買いブドウ。そのうち 6haはディジー、残りの2haは近いけれどディジーではない場所。 生産本数は毎年約 25 万本。30 年前は 40 万本生産していたが、減らすことにより品質をあげることを目的とし、今は近くのブド ウのみを買っていいジュースのみを使用する。3 つの GC、2 つの1erのブドウのみを使用。

【大事にしていることは3 つ】

  1. 栽培 まず、ブドウをたくさん収穫することは大事ではない。土の仕事を丁寧にすることがもっとも大切。下草を生やすことにより、草 と競合しブドウの根は深くなる。 コルドンペルマノン仕立て。1 つ残した古い樹からしか枝をださないようにする。コルドンは若い樹を出す仕立て方。コルドンぺ るマノンは実はたくさんならないけれど、葉っぱが少なくなり結果風通しがよくなり病害も減る。そのため農薬は使わずにすむ。 ミルデュには銅を使用し、花の前にまくとあまり使用しなくてよいので、タイミングが大切。「ビオ」ということはそこまで大切 なことではなくて、実を少なくしていかに熟させるかということが大切。
  2. プレス 手摘み収穫、30~35 ㎏のカゴを使用し、収穫後はすぐにプレス。ギィ・シャルルマーニュ同様、目視をすることが大切なため、ク ラシックな浅く広い圧搾機を使用する。クラシックだけど、コンピューターでコントロールできるプレス機になっている。 法的には 4000 ㎏から 2050ml の搾汁だけど、ジャクソンの規定は「3 回プレス」。残り 60%ぐらいはすべて売却。通常1ha あ たり 10 万本ぐらいだけど、ジャクソンは 7 万本ぐらい。ブドウがあまりよくない年はすべて売却することもある。「いいワイン を造るにはいいブドウを使う」というシンプルな考え方。 プレス後 SO2 ではなくドライアイスを使用。プレスしたジュースはパイプを通って下のタンクへ。タンクは「ジャクソン用」と 「その他用」に分かれている。
▲ ジャクソンの圧搾機は四角
▲奥のタンクがジャクソン用、手前はその他売却用
▲ 741のヴァン・ド・レゼルヴ

醸造 プレスした果汁は 24 時間置いてデブルバージュのあと樽に移して発酵。酸を大切に していることと、フィルターをたくさんかけないといけないという理由からMLFは しない。澱引きはせずに樽の中にずっと置いておき、バトナージュはすごくゆっくり 月に 2 回ほど。しすぎると酸化が進む。通常は酒石酸をとるために冷却したりするけ れど、温度が変わることで味にも変化がでるのが嫌なので、ずっと静かに置いておく。 このことにより澱が酒石酸を包んで自然に下にたまる。清澄もなし。通常は2 月ぐら いには瓶詰するが、ジャクソンは12カ月寝かせる。(異例の長さ) 他のメゾンは「平均的な味わいを出すため」にリザーヴワインを使用するが、ジャク ソンは「複雑味をだすため」。そのため、品種ごととかではなく、740のレゼルヴ、 741 のレゼルヴというように保管されている。

▲樽の下に溜まる酒石酸と澱

【テイスティング】

700 シリーズはジャクソン特有のもの。ジャクソンを象徴するもの。他のメゾンは毎年同じ味を目指すが、ジャクソンはその年に できる最上の味をだすことを目指している。リザーヴワインがはいっているためミレジメでもない。ベースとなるその年のキャラ クターを壊さない絶妙な量のリザーヴをいれる。(だいたい20%前後)

★741
ベースは 2013年。ドザージュ2.5g/L。蜂蜜っぽさ、奥行きと複雑味のある味わい。

★742
ベースは 2014年。ドザージュ1.5g/L。まだ若い印象。フレッシュでフルーツ味がしっかりしている。 2014年は暑くてむしむしした気候でボトリティスが出たので、結構売却した。

★737
ベースは 2009年。2009 年は暑かった年。デゴルジュが最近なので、フレッシュさも感じられる。DT ならではの複雑味とリッ チなコク、凝縮された果実の甘みが感じられる。少し温度があがると、より丸みも目立つ。

★ディジー コルヌ・ボートレイ 2008
塩味、ヨード。少し硬い印象。個人的にはシングルヴィンヤード 3 種の中で一番好みだった。

★アヴィーズ シャン・カン 2008
通常ディジーより丸みのある味わいなのでドザージュ少なめだけど、2008 年は逆になった。ディジーよりもわかりやすく万人 受けするようなバランスの良さがある。

★アイ
PN100%。ノンドゼ。ピノ・ノワールらしいコクもあるけれどかなりフレッシュ。

シングルヴィンヤードのシリーズは、すごくいいブドウができた年で、 700 シリーズに十分入れることができて余った場合にのみ造られると のこと。違うのはテロワールのみというシンプルさ。最初から最後ま で話を聞いていて感じたのは、どれほど 700シリーズを大切にしてい るかということ。やはりジャクソン=700シリーズなので、他のメゾ ンとは比べる対象にもならないし、どの部分をとっても別格のやり方 であるということに改めてジャクソンのすごさを感じました。すべて の工程が信じられないほどにストイックで、もはや「シャンパーニュ」 というカテゴリーではなく、「偉大なワイン」というカテゴリーでした。