ショップスタッフの佐藤です。

ワイングロッサリーでは、カリフォルニアワインへの理解を深めるため、

月に一度「キャップストーン レベル2」の授業を受講しています。

講師はなんと、A.S.I.世界最優秀ソムリエコンクール第5位の実績を持つ岩田渉シェフソムリエ。

カリフォルニアワインは勿論、ワイン全般に関して、継続的かつ深く実践的に学べる、非常に貴重な機会です。

では、そもそも「キャップストーン」とはどのようなプログラムなのか。

ここからご紹介していきます(*^_^*)

◆キャップストーンとは何か

キャップストーンとは、カリフォルニアワインをより深く理解するためのカリフォルニアワイン協会(CWI)が公認教育プログラムです。産地や品種といった基本情報だけでなく、地域ごとの気候や土壌の違い、造り手の考え方、さらには現地の最新トレンドまでを、実例やテイスティングを通して学びます。

「なぜこのワインはこの味わいになるのか」「この産地の個性はどこにあるのか」といった疑問をひとつずつ紐解きながら、

カリフォルニアワインを知識ではなく“理解”として身につけていくのがキャップストーンの特徴です。

レベル1(初級)、レベル2(中級)、レベル3(上級)の3つのレベルで構成されており、オンライン受講やスクールでの受講が可能です。

◆キャップストーンレベル2で学ぶ内容

第1章: 歴史と言い伝え

第2章:地形と気候

第3章:土壌

第4章:ブドウ

第5章:栽培と醸造

第6章:熟成

第7章:ワイン法

第8章:公的分類

第9章:ワイン生産者

第10章:収穫年

第11章:ワインのビジネス

最終テスト

第1章:歴史

カリフォルニアワインは、どうやって今の姿になったのか

カリフォルニアワインの歴史は、ヨーロッパの名産地に比べると決して長くありません。

しかし、短期間で世界トップクラスに成長したスピード感こそが、この産地の最大の特徴です。

18世紀後半、スペイン系宣教師たちがミッションでワイン造りを始めたのが起点。

19世紀のゴールドラッシュで需要が急増し、ワイン産業は一気に拡大します。

しかし1920〜1933年の禁酒法によって、多くのワイナリーが廃業に追い込まれ、産地は一度大きな停滞を迎えます。

転機となったのは1960年代以降。
「量より質」という明確な目標のもと、科学的な栽培・醸造技術を積極的に導入。

1976年の「パリスの審判」でフランスの銘醸ワインを打ち破ったことで、カリフォルニアは一躍世界の注目を浴びます。

しかし順風満帆ではありません。1986年頃を中心に、フィロキセラ被害が再び産地を襲います。

多くの畑が植え替えを余儀なくされましたが、この危機は結果的に、台木やクローンの見直し、畑の適地選定を進める大きな転機となりました。

伝統に縛られず、失敗から学び、改善を重ねてきたこと。
その積み重ねが、現在の多様で高品質なカリフォルニアワインを支えています。


第2章:地形と気候

山・川・気候がつくる、カリフォルニアのワイン環境

カリフォルニアのワイン産地では、山脈・河川・気候が密接に関わり合い、ブドウの生育環境を形づくっています。

一見すると温暖で日照量が多い産地ですが、実際には非常に複雑。

【山脈】

コースト・レンジ(海岸山脈)やシエラ・ネヴァダ山脈は、海の影響を「通す・遮る」役割を担っています。山脈の位置や谷の向きによって、冷涼さが残るエリアと温暖になるエリアがはっきりと分かれ、その結果、数km違うだけで気温が大きく変わるという特徴的な環境が生まれます。

【河川】

暖かく乾燥した生育期において、灌漑に必要な水を供給する重要な存在です。また、川の周辺では夏場の暑さが和らぎやすく、河川の水面が光を反射することで、ブドウの光合成を助ける効果もあります。一方で、定期的な洪水や集中豪雨、さらには5〜10年に及ぶ干ばつなど、リスクを伴う側面もあります。

【気候】

こうした地形の上に成り立っているのが、カリフォルニア特有の気候です。
州の大部分は地中海性気候に属し、降水量は冬に集中します。そのため、ブドウの生育期である春から夏にかけては雨が少なく、多くの栽培地で灌漑が不可欠となっています。

山・川・気候が複雑に絡み合うことで、カリフォルニアには多様な栽培環境が生まれ、それがワインのスタイルの幅広さへとつながっているのです。


第3章:土壌

土壌の違いは、本当にワインの味に表れるのか

カリフォルニアは、世界でも珍しいほど土壌の種類が豊富な産地です。
一つのAVA内に複数の土壌が混在することも珍しくありません。

【主な土壌と適した品種】

石灰質:ピノ・ノワール、シャルドネ

花崗岩質:ジンファンデル

沖積土:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、ピノ・ノワール、シャルドネ

火山性:カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シラー、ジンファンデル、カベルネ・フラン

土壌はワインに「味」を直接与えるわけではありませんが、
・水はけ
・根の張り方
・樹勢のコントロール

といった要素を通じて、ブドウの成熟度や果実のバランスに大きく影響します。

そのためカリフォルニアでは、「どの畑の、どの区画で育ったブドウか」が重視され、

単一畑(シングル・ヴィンヤード)のワインが数多く造られています。


第4章:ブドウ

なぜ、こんなに多くの品種が成功するのか

カリフォルニアでは、100種類以上のブドウ品種が栽培されています。カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネだけでなく、

ピノ・ノワール、ジンファンデル、シラー、ソーヴィニヨン・ブランなど実に多彩です。

特にジンファンデルで知られるロダイでは、
A to Z(アルバリーニョからジンファンデルまで)」と呼ばれるほど、100種類を超える品種が植えられています。

これだけ多くの品種が成功する理由は、

・気候の幅
・土壌の多様性
という、前章までに述べた環境条件がそろっているからです。

さらにカリフォルニアの生産者は、
「土地に合う品種を探す」ことに非常に積極的

失敗を恐れず植え替えを行い、最適解を見つけていくスピード感こそが、カリフォルニアらしさと言えるでしょう。  

                      


第5章:栽培と醸造

伝統よりも、“目的”が先にある造り

カリフォルニアのワイン造りは、「こうあるべき」という型よりも、
「どんなワインを造りたいか」を出発点に考えられています。

灌漑を含め、栽培管理は非常に精密。
醸造においても、ステンレスタンク、コンクリート、オーク樽などを、ワインのスタイルに合わせて使い分けます。

重要なのは、自然任せでも、テクノロジー頼りでもないこと。
品質を安定させ、表現を明確にするための“選択”として技術が使われています。

近年は、こうした考え方の延長として、サステナブル栽培やオーガニック、ビオディナミに取り組む生産者も増えています。

環境への配慮と品質向上を両立させる姿勢も、現代のカリフォルニアワインを語るうえで欠かせない要素です。


第6章:熟成

「早く美味しい」だけじゃない、進化する熟成力

カリフォルニアワインは若いうちから楽しめる一方、近年は長期熟成に耐えるスタイルも確立されてきました。
凝縮した果実味に加え、酸とタンニンの質が熟成を支えます。

醸造技術の進化により、樽使いはより控えめで洗練された方向へ。
果実・酸・オークが調和し、エレガントに熟成するワインが増えています。

【カリフォルニアで使われるオーク】

  • ホワイトオーク:繊細で穏やかな風味
     → ピノ・ノワール、シャルドネなど
  • アメリカンオーク:リッチで骨格のある味わい
     → カベルネ・ブレンド、シラーなど

第7章:ワイン法

アメリカ(カリフォルニア)のワイン法は、主にラベル表示に関する規定で構成されている。

☆品種表示

ラベルに品種名を記載する場合、その品種を75%以上使用している必要がある。

☆収穫年(ヴィンテージ)表示

ヴィンテージを表示する場合について

【AVA名】その年に収穫されたブドウを95%以上使用していなければならない。

【州名や郡名】その年に収穫されたブドウを85%以上使用していなければならない

☆原産地表示

  • 「California」表記:100%カリフォルニア産ブドウ
  • カウンティ名表記:75%以上
  • AVA表記:85%以上

第8章:公的分類(AVA)

AVAは「格付け」ではなく、産地を理解するための目印

AVA(American Viticultural Area)は、ワインの品質を格付けする制度ではなく、産地の場所や環境を示すための区分です。
気候や地形、土壌などの共通点をもとに定められ、ワインの「住所」のような役割を持ちます。

ナパ・ヴァレーの中にさらに細かなAVAがあるように、近年は区分が細分化され、産地ごとの個性をより明確に伝える動きが進んでいます。

【岩田ソムリエに教えていただいた注目産地】

リヴァモア・ヴァレーAVA:サンフランシスコ東部に位置する、日本ではまだ知名度の低い実力派産地

エドナ・ヴァレーAVA:カリフォルニア州で最も冷涼な産地のひとつ
メンドシーノ:冷涼な気候で注目度上昇中。山が多く、ブドウ栽培面積は限られる


まとめ

カリフォルニアワインの魅力は、自然の多様性 × 人の探究心

歴史、地形、気候、土壌、ブドウ、造り手の哲学。
それぞれが重なり合うことで、一言では語れない奥深さが生まれています。

だからこそ、カリフォルニアワインは
飲むたびに新しい発見がある産地なのです。

毎回、授業の最後にソムリエ試験のようにブラインドテイスティングをします(^_^)!

私自身、前職でカリフォルニアワインをメインに取り扱っていたこともあり、基礎的な知識は持っているつもりでしたが、

産地ごとのテロワールの違いに加え、日本ではまだあまり知られていない注目産地の動向や、現地でしか購入できないワインの話など、資料を読むだけでは決して得られないリアルな情報が毎回ふんだんに盛り込まれており、毎回刺激を受け、大変勉強になりました!

特に、深く広い知識をお持ちの岩田ソムリエから直接お話を伺いながら学べたことは、何よりも貴重な経験でした。

学んだ知識をしっかりと整理し、店頭でのご提案やワイン選びに活かしていきたいと思います。

このような素晴らしい学びの機会をいただき、ありがとうございました。

#ワイングロッサリー #京都ワインショップ #京都 #ワイン #kyotowine #winegrocery