業務部の伴です!
蔵元訪問記の二日目は私がお届けいたします。

■長浜テロワールツアー2日目 ─ 農家さんを訪ねて

長浜でのテロワールツアー、そして七本槍さんでの試飲セミナーを終え、2日目はいよいよ農家さんの現場を訪問。この日は「お米づくりのリアル」を体感し、農家さんの想いや工夫に触れる、学びの多い一日でした。

■くさおか農園さんで感じた“挑戦する農業”

最初に伺ったのは くさおか農園 さん。
この地域では、農家の高齢化と後継者不足が深刻です。
なんと60代でも“若手”とされるほど。その中で、お祖父さまの田んぼを引き継ぎ、新たな挑戦を続ける若い女性農家さんに出会いました。

栽培しているのは滋賀の地場米「滋賀旭」。しかも無農薬栽培です。
雑草管理は特に労力がかかるため、かつては竹箒のような道具を使っていたそうですが、現在はロボット掃除機のような自動除草機を活用。さらにブドウ栽培を参考に“密植”にもチャレンジし、どのような変化が出るのか観察しているそうです。

苗は一般的な田植え機ではなく、一つひとつ独立したポット苗を手植え。
根を傷めず、しっかり定着させるための工夫だとか。酒粕を田んぼに撒き、その効果を確かめながら全国の農家を回って学びを深めているとのことでした。
「始めた頃は1町だった田んぼが、今では7町に。10町を目指しています」と話す姿には、農業への情熱と前向きな気持ちが感じられました。

■家倉さんの田んぼと“米文化をつなぐ場所”

続いて訪問したのは お米の家倉 さん。
乾燥機やトラクターなど、最新の農業機械の進化に驚きつつも、「技術の進歩で生まれた時間をどう活かすかがこれからの課題」と語られていたのが印象的でした。

家倉さんは滋賀旭、玉栄、みずかがみ、コシヒカリ、ミルキークイーンなど多彩な品種を栽培。小谷城城主が作った歴史ある用水路を今も活用し、伝統と最新技術を組み合わせた農業を続けています。

また、奥様とともに農業体験施設も運営されており、今回はそこで昼食をいただきました。
滋賀旭を使ったおにぎりは、ほんのり甘くてそのままでも美味しい。
赤こんにゃく、地元の鶏肉、酒粕クラッカーなど、地元の恵みを活かした料理が並びました。

施設内は、田んぼの土で作ったレンガや麦を乾燥させて作ったインテリアで彩られ、まさに「地産地消の究極系」。ここで将来的には料理を提供し、米文化を広めたいと話されていました。

■山あいの棚田で感じた“守るべき風景”

その後は、山あいに広がる棚田を訪れました。
ここは風通しが良く、土質にも恵まれた土地ですが、高齢化が進み、担い手の確保が課題に。管理が行き届かないと、水の流れが崩れて下流の田んぼに悪影響が出てしまうため、七本槍の富田さんが将来的に守っていこうとされています。

■訪問を終えて

今回出会った農家の皆さんは、それぞれが誇りと信念を持ち、未来に向けて挑戦を続けていました。
農業は大変、というイメージは確かにありますが、それ以上に「良いものをつくりたい」「この土地を守りたい」という想いの強さに胸を打たれました。

滋賀出身の私自身、このツアーを通じて改めて滋賀の米、酒、人、土地の魅力を再認識しました!
これからも、この素晴らしさを発信し、広めていきたいと思います。
今回の機会をくださったヴァンパシオン様、富田酒造の富田様、くさおか農園のくさおか様、お米の家倉様に心より感謝申し上げます。