~真夏の昼の夢のようなランチ~

ショップ店長の名取です!8月4日京都で行われたフードライナー様主催バローネ・リカーゾリ「キャンティ・クラッシコ グラン・セレツィオーネを楽しむ会」に参加してきました。

京都に来て3年弱、下鴨茶寮の建物の脇を過ぎることはあっても、中に入ったの初めて。玄関に入ると和装の素敵なスタッフが出迎えてくれました。

外からはわからない庭の美しさに目を惹かれました。ウェルカム・ドリンクはカ・デル・ボスコのフランチャコルタ・キュヴェ・プレスティージュ・エディツィオーネ 46。ゴールドイエローに輝く台座にとてもマッチングしてました。滑らかな泡立ちと芳しい香り、流石の一言です。近年は日本ワインの人気も高いとのことで、全国から選りすぐりの日本酒に加えて、ワインのラインナップも充実しています。

現当主で日本愛好家のフランチェスコ・リカーゾリ氏がどうしても都合で来日できず、ということで今回は長年に渡り親交のある宮嶋勲氏による夢の解説付きランチが実現!

「何でも聞いてください」という宮嶋氏に続々と質問があり、それに何倍もの情報量で応える様に、まさに極めるとはこういうことだと感嘆しました。ある質問に対しての答えの中で、非常に興味深かったのが、キャンティ・クラッシコの変遷。ここ4、5年で、醸造においてタンニンなどの抽出を抑えて、225ℓのバリックから900ℓのトノーで熟成する生産者が増えたことで、全体的に非常にエレガントな味わいに変貌したとのこと。

キャンティ地区におけるリカーゾリの位置としては、調和されたバランスの優れたスタイル。この土地の土壌としてはガレストロや石灰、砂、粘土など多岐に渡っているので複雑。その中でもガイオーレは標高がやや高く、果実と酸のバランスが優れたエレガントなワインを生み出すことができるという。

実際にテイスティングで出たチェーニプリモ2021は、驚くべき開放感!事前にフードライナーのスタッフの方々が抜栓していただいたとはいえ、信じられないくらいに果実感や酸味、グリップのあるタンニンだが円みを帯びているので全体的なバランスが良く、スムーズに体に染み込んできました。南部にある古い土壌の単一畑ゆえ、パワーやボリュームもあるのですが、統制感が秀逸なスタイル。宮嶋氏によるとアメリカ市場で非常に評判の良いアイテム。

対照的だったのがロンチコーネ2021。伸びのある酸味ととらえきれないような複雑な香りと緻密で肌理の細かいタンニンによる構造。エレガントで精緻で内向的なキャラクター。畑はリカーゾリの敷地内の中央あたりに位置し、南東向き。宮嶋氏いわく神秘的でわかりにくいから惹かれる、通心をくすぐられるワイン。粒マスタードを添えた合鴨のローストとの相性はバツグンです!

その他、カステッロ・ディ・ブローリオの垂直試飲も興味深く、パワフルな2010年のスタイルとエレガントな2021年ものが異なる方向性を持っているのにもかかわらず、共通したエッセンスを感じ取れたのも、リカーゾリとキャンティの変遷を実感できました。

以下、テイスティングのラインナップです。

トッリチェッラ IGT(白) 2023

チェーニプリモ キャンティ・クラッシコ グラン・セレツィオーネ 2021

ロンチコーネ キャンティ・クラッシコ グラン・セレツィオーネ 2021

カステッロ・ディ・ブローリオ キャンティ・クラッシコ グラン・セレツィオーネ ガイオーレ2021

カステッロ・ディ・ブローリオ キャンティ・クラッシコ 2010

元カメラマンだった現当主フランチェスコ・リカーゾリのセンスを感じる5種でした。今回のテーマ、グラン・セレツィオーネは自社畑のブドウを100%使用するのが条件。リカーゾリ家の営む自然との調和性や、畑ごとのテロワールの刻印をフレームインしてアウトプットする感覚の素晴らしさを堪能しました。フードライナーの皆様、下鴨茶寮の皆様、そして宮嶋様、素晴らしい体験をありがとうございました!

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