WG代表のまさきこが、この夏フランスを訪問しました。ワインの産地での出会いや学び、そしてパリでの芸術との出会いを少しご紹介します。

今回のフランス滞在は、猛暑のブルゴーニュから始まりました。
午前中は名門 エティエンヌ・ソゼ、午後は アルロー を訪問。
ご一緒させていただいたのは日本酒の蔵元の皆さま。ワインとは異なる視点からの質問はとても鋭く、私自身も新たな学びを得られた有意義な時間となりました。

今回の旅の大きな目的は「Madame Sake 10周年記念パーティ」。ボーヌの「カーヴ・マドレーヌ」にて、日本酒蔵元とワイン生産者が一堂に会し、美味しい料理とお酒、そして心温まるスピーチに包まれた感動的な夜でした。

シャンパーニュでの濃密な時間

ブルゴーニュを早朝に発ち、午前11時にはシャンパーニュの ジョフロワ を訪問。ジャン・バティスト氏が、蔵元の方々に合わせて普段よりさらに丁寧に説明してくださいました。

その後は、マルヌ川の上でピクニックランチ。木陰で涼みながら、グジェール、パテ・アンクルート、大きなチーズやトマト、さくらんぼを味わい、冷えたシャンパーニュで乾杯!まさに幸せな時間でした。

そして、予定外に ジャック・セロス を訪問できるサプライズも!
ところが39℃の猛暑のなか体調を崩してしまい、なんとアンセロムさんに抱えられて運ばれるというハプニング…。温暖化の影響を肌で感じた出来事でもありました。

シャンパーニュの締めくくりは ジャクソン 訪問。美しいセラーを案内いただき、748や747、743DTなどを試飲。蔵元の方々に人気だったのはシャンカン2014。ランチではロゼの1993年やテール・ルージュ2015など豪華なワインが並び、贅沢なひとときを過ごしました。
しかしその後、39℃の駅で2時間半待ちという「試練」も…。ヨーロッパの夏の厳しさを痛感しました。


アルザスでの再会と癒し

ようやくたどり着いたアルザス。コロナ前は毎年訪れていた場所ですが、久々のストラスブールの街並みはどこを見ても懐かしく、心が弾みました。カテドラルやプティット・フランスを散策し、留学時代に泊まっていたホテルも健在。思い出が蘇ります。

旧友フランソワーズの家では、孫のソナムや新しく家族になった犬もいて、にぎやかで温かい空気に包まれました。81歳のフランソワーズが犬の散歩をしている姿に感動。野菜たっぷりの手料理は優しく、旅の疲れを癒してくれました。

パリでの美しい寄り道

実はブルゴーニュ入りの前に、パリで小さな芸術の寄り道もしました。

・ジャックマール=アンドレ美術館

「宗教画好きならきっと気に入るよ」と勧められて、初めて訪れたジャックマール=アンドレ美術館。館内に足を踏み入れた瞬間から、夢の世界のような美しさに圧倒されました。

ベッリーニ、ボッティチェッリ、ドナテッロ、ウッチェッロ、ナティエ、ヴィジェ=ルブラン、シャルダン、フラゴナール、ダヴィッド…名画の数々が当時のままの空間に展示されています。ちょうどアルテミジア・ジェンティレスキの特別展も開催中で、カラヴァッジオ好きの私には嬉しい驚きでした。印象的だったのは「ユディト」ですが、静かな美しさを放つ「眠れるヴィーナス」にも心を奪われました。

鑑賞のあとは併設のサロン・ド・テへ。庭を眺めながらテラス席でマカロンケーキとミルクティーを。そよ風が心地よく、時間がゆっくりと流れていくようでした。こちらの美術館ではオペラ公演もあるそうで、いつかその時期に再訪したいと夢見ています。

・サン=ドニ大聖堂

もう一つ、忘れられない初訪問が「サン=ドニ大聖堂」です。伝説によれば、聖ドニはモンマルトルで斬首された後、自らの首を手に持ち歩き、この地までたどり着いたと伝えられています。モンマルトルからサン=ドニまで歩く距離を思うと、神秘的な伝説に想いを馳せずにはいられません。

午後の光が射し込む大聖堂では、ステンドグラスの色とりどりの光が床に映り、その輝きを浴びると不思議な力に包まれるようでした。

大聖堂の地下も見応えがあり、また必ず訪れたいと思う場所になりました。

おわりに

こうして振り返ると、ワインの生産地での濃密な学びや出会いだけでなく、パリでの芸術と祈りの時間もまた、旅を豊かに彩ってくれました。もちろん、ちゃんと仕事もしましたよ♪