非の打ち所がない「完璧なサンセール」

エティエンヌ・ドールニーは、山深いショードネイの地で数世紀にわたってブドウ造りを行う小さな蔵元です。

サンセールは、フルーティでチャーミングなタイプからミネラルの骨格が雄大な長期熟成に耐え得るタイプまで、幅広いスタイルのワインを生み出す多彩で広大なテロワール。

ショードネイ村にあるドールニーの畑は、ロワール川流域では珍しいフリント(火打石)を含む粘土質土壌とキンメリッジと呼ばれる白亜石灰岩土壌で、50にも細分化された区画をトータル15ha所有しています。そのほとんど全てが南向きという絶好のロケーションに位置し、ほぼ無農薬に近いリュット・レゾネの農法を20年以上前から採用しています。そして特筆すべきは、多産のこの地域では例外的な程に少ない収量に抑えているということ。

さらには、サンセールの最高峰区画「モンダネ」の古樹のブドウが、なんとスタンダードのサンセールにもブレンドされています！　当主エティエンヌ氏の誠実で穏やかな人柄の良さがそのままワインににじみでています。

アルコール発酵から熟成までをステンレスタンクで行い、フレッシュさを保つ為にマロラクティック発酵は行いません。こうすることで、類稀なる土壌に起因した、まるでピュリニィ・モンラッシェを想わせるミネラルの雄大な骨格、南向きの斜面と低収量に起因する完熟したソーヴィニヨン・ブランの果実味がパーフェクトにバランスした「完璧なサンセール」が出来上がります。

「収穫中、ちょうど良い酸を保ったままブドウが完全に熟す瞬間がある。若樹はタイミングがわかりやすいが、古樹は根が深く成熟がより一定なため、収穫に時間を要す。“いつ収穫するか”を見極めることこそヴィニュロンの真の仕事」とエティエンヌ氏は語ります。

積極的な宣伝をしない為、大部分はイギリスの愛好家の手に渡って完売という状態。マスター・オブ・ワインの元会長、アンソニー・ハンソン氏（現クリスティーズ・ワイン部長）は、英国での個人ビジネスとして、専門ワインショップグループの為にファインワインをセレクトする仕事をしていますが、氏の紹介で日本にも少量ながらご紹介できるようになりました！